AIやロボット導入でいずれ激変する転職環境

現状ではデフレ脱却を最優先課題にしている現政権の経済政策が功を奏して低成長率ながら景気の良い状態が続いています。このため、若年労働者人口の減少傾向の中で景気回復が進んでいるので人手不足が鮮明になっています。従って、様々な産業分野で人手を要する作業では自動化や機械化の進めやすい環境になっています。有効求人倍率が高止まり状態のままだし、完全失業率が3%を下回るまで低下しているので、働きたい人や転職したい人が職探しすれば業種や職種を選ばない限り職がじきに見つかる状態です。当面はAIの導入やロボット化で人手不足が補える程度である限り求人環境は激変しないでしょう。しかしながら、この売り手市場の雇用環境がいつまでも続いていくわけでなさそうです。今後、バックオフィス型業務や製造ライン業務、あるいは定型的業務等、取り替わられやすい作業や業務にAIやロボット導入が進んでくる時期が来ます。そうなると、相当な人数の雇用がAIやロボットで代替されると予想されています。AIの導入やロボット化が本格化すると低賃金の一部の職種以外は軒並み雇用が減少するはずです。従って、AIやロボットで代替されやすいこうした業種で働く人たちは早めに転職するか、成長分野へ人材を移動してもらう教育、研修プログラムで新たなスキルを得る必要があると見込まれています。大規模な産業構造の転換を伴うこの変化を第4次産業革命だという専門家がいるくらいです。この産業構造の転換によって人の雇用が大幅に減少すると見込まれるわけですから、付加価値のつく仕事への転職を心がける必要がありそうです。数年前から金融機関の中で地方都市を主要な地盤としていた金融機関の生き残り活動が目立ちます。その上、最近、3メガバンクが相次いで業務の見直しと従業員の大幅な削減計画を発表しました。もちろん、金融機関のこうした再編や事業見直しは目先で低金利政策の下で利ザヤ稼ぎのしにくい事業環境への対応だとみられています。しかしながら、中長期的には第4次産業革命の進展により金融関連業務の大幅な減少が起こることを見越した行動のようです。今後、行員の配置転換だけでなく、リストラが始まり、中高年の行員を中心にして大勢の行員が転職していく先駆けの動きというべきです。